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【復活の可能性も】マツダ・ロータリーエンジンは何が魅力なのか?

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【復活の可能性も】マツダ・ロータリーエンジンは何が魅力なのか?

環境面で厳しいがダイナミクスの点では魅力たっぷり

世界でマツダだけが量産化に成功したロータリーエンジンは、RX-8の生産終了(12年)と同時に姿を消し、残念ながら現在搭載車はない。

【今さら聞けない】マツダのロータリー搭載車はなぜ消えたのか?

しかし、15年の東京モーターショーで出展されたコンセプトカーのRX-VISIONは「SKYACTIV-R」と呼ばれる次世代ロータリーエンジンの搭載がされており、そう遠くない将来の市販化が有力視されている。

困難を重ねた開発過程、燃費の悪さによる低迷から初代RX-7搭載時の改良による復活、本当のラストチャンスで日本車唯一優勝を果たした91年ル・マン24時間レースなど、NHKのプロジェクトXで取り上げられたほどの波乱万丈を経たロータリーエンジン。

ちなみに今年は67年にコスモスポーツでロータリーエンジンが搭載されて50年の節目でもある。現在ロータリーエンジン搭載車が絶版になっているのは弱点が多いことが理由なのだが、それでもロータリーエンジンには根強いファンがいるのも事実。

今回は何を理由にロータリーエンジンが一部のコアなファンを魅了しているのかを考えてみたい。

魅力(1)ハイパワー

上下運動することで動力を発生するレシプロエンジンに対し、回転運動するロータリーエンジンはレシプロエンジンの吸排気バルブやカムシャフトといった動弁系がないこともあり、高回転まで回すことが可能なためハイパワーを得やすい。

魅力(2)スムースな回転フィール

ロータリーエンジンは魅力(1)で書いた動弁系がないなど、エンジンに不快な振動や騒音の原因となるパーツがないため、RX-8のハイパワーエンジンのように、9000回転という高いレブリミットにしても不快な振動や騒音なく一気に回る。

そのフィーリングはエンジンにも関わらず、よく「モーターのようにスムースに回る」と形容されるほどだ(この回転フィールは好き嫌いが分かれるのも事実でもあるが)。

コンパクトなため低重心&センターマス化のパッケージを作りやすい

魅力(3)コンパクトであること

エンジンは車にとって重要なパーツであるが、あくまでも車の一部でありコンパクトかつ軽量であればそれにこしたことはない。

といった意味では、同等の出力を出すエンジン同士(一例として250馬力同士のRX-8の2ローターNAとホンダS2000の直4NA)であれば圧倒的にコンパクトであるため、運動性能の高い車を作るための基本である「エンジンに代表される重たいパーツはなるべく車の中央寄りに低く配置したい」というセオリーを実現するのに、ロータリーエンジンは大きく貢献する。またエンジンを低くマウントできるゆえに、ロータリーエンジン専用車はボンネットの低いスタイリッシュかつ前方視界のいいエクステリアデザインとなることも魅力の1つだ。

重量に関してはRX-8の2ローターNAとアルミブロックの直4は同等とのことだが、近い車格と動力性能だったRX-7のような2ローターターボとスカイラインGT-Rの直6ターボといった比較であれば、ロータリーエンジンは軽いといえる。

まとめるとロータリーエンジンはパッケージ面のメリットが大きく、運動性能を追求したいクルマ、つまりスポーツカーのエンジンとして大きな優位性を持つと言える。

魅力(4)オーバーホールがしやすい

ロータリーエンジンは構造がシンプル=部品点数が少ないため、オーバーホールの際の工賃が比較的安いので、「オーバーホールのついでに何か手を加える」ということを行いやすい。

しかし最近はロータリーエンジン搭載の現行車がなくなってしまったせいもあるようで、部品代が値上がりしており、オーバーホールの総額が安いとはいえなくなっているのは残念なところだ。

このようにロータリーエンジンは「マニア向け」というのは否めないものの、ロータリーエンジンだけの魅力を持つ。

それだけにRX-VISIONに搭載されるエンジン、あるいは試作車が公開されたロータリーエンジン搭載のレンジエクステンダー(電気自動車の航続距離を延ばすため発電用エンジンを積むクルマ)の発電用エンジンなど、どんな形でもいいからなるべく早い時期にロータリーエンジンが復活することを願いたい。

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